「そうか、持ってきてくれないかな。」
ジョニーはそう言った。
手紙を持って、ジョニーのいる部屋に行くと、ジョニーは、スクワットをしている最中だった。
「スクワットマジックを買ったんだ。」
ジョニーは言った。
「ありがとう、いまちょっと手が離せないから読んでくれないかな。」
ジョニーはスクワットを続けている。
「筋肉は裏切らない!」
ジョニーは言った。
「確かに」
僕は答えた。
スクワットマジック
***
***
メルヘンの国から来た手紙
「読んでもいいのかい」
「いいよ、別に誰かに読まれて困るようなことはしていない。」
ジョニーは言った。
「じゃあ読むよ。」
・・・ジョニー、元気か。おれだ、JAMだ。おれは元気だ!・・・
「JAM、JAMなのか。」
ジョニーは、スクワットマジックをやめて、僕を見た。
「JAMってだれ。」
「・・・JAMはJAMだ。」
ジョニーは笑った。
「そうだね」
僕も笑った。
ジョニーは、汗をふきながら、こっちを見ている。
「続けるよ」
僕は言った。
・・・ジョニー、しばらくぶりだな。そっちの暮らしはどうだ。メルヘンの国は特に変わりはない。
太陽は、いつもどおり登るし、誰も死なないし、ひどく傷つくことを言う人もいないし、悲しい気持ちになることも、いやな気持になることもない。
退屈といえば退屈だが、それは贅沢というものだろうな。
ジョニーそっちはどうだい?
また、メルヘンの国に遊びに来てくれ。JAM・・・・
ジョニーは、黙って聞いていた。それから、
「よかった。」
と言った。
JAMはいかれたラッパーだった!?。
「JAMは、いかれた男だった。いつもアンパンやって、喧嘩ばかりしていた。でも、天才的なラッパーだった。」
ジョニーは話し始めた。
「そうなんだね。」
「おれとJAMは、ある時ライブハウスで出会った。」
「ジョニーはラッパーだったの。」
「違う。」
「おれは、ロックンローラーだ。今もね。」
「そうだろうね。」
僕は言った。
「この町の悪い奴はだいたい友達だった。
でも、みんな夢に向かって輝いていた。」
どっかで聞いたようなセリフだな。
「JAMは、いかれたラッパーだった。」
ジョニーはちょっと遠くをみて、思い出したように言った。
「あるときライブハウスで、おれとJAMは喧嘩したんだ。なにが原因かは思い出せない。たぶん、昔は、ロッカーとラッパーはお互い相いれなかったんだろう。」
どうなったの?僕は聞いた。
「ああ、喧嘩した後、おれとJAMは友達になったのさ。まあ、よくある話だ。」
「河原の土手で思い切り殴り合った後、握手をして友情を誓ったとか?」
「どうして知っているんだ!?」
ジョニーは答えた。
絵にかいたような話だね・・・
「でも、JAMに不幸がおきた。」
「JAMは、アンパンやりすぎたんだ。」
ジョニーは悲しそうに言った。
「JAMのまわりで何かが、間違っていたんだ。JAMは、真面目でいい奴だったからきっと現実の中でいろんなことに押しつぶされそうになってしまったんだと思う。」
「そうなんだね。」
僕は答えた。
「そして、JAMはメルヘンの世界の住人になったんだ。」
「そうなんだ・・・」
「JAMさんは、アンパンばかり食べていたんだね。確かにアンパンは美味しいよね。」
僕は言った。
ジョニーはちょっとためらった様子だったが、こう言った。
「最近は、あんまり言わないのかな。アンパンやる、っていうのはシンナーをやることなんだよ。」
「そうなんだ・・・」
僕は答えた。
JAMさんから着た手紙をジョニーに渡して僕は、ジョニーの部屋をでた。
メルヘンの世界のJAM
それからジョニーの部屋には、JAMさんからの手紙についていた写真が壁に飾ってあるよ。
赤いマントをつけたまん丸い顔をしたアンパンが飛び立つのを、JAMさんと犬と女性が、楽しそうに見ているよ。
ねえ、ジョニー、メルヘンの世界で、白いひげを生やして、ニコニコ笑って、パンを焼いている、JAMさんは、本当に楽しそうだよ。
著作権の問題が発生しそうだから、今回のお話には写真はないよ。
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山で行方不明になった、一卵性双生児の兄「もみあげエルヴィス兄さん」
を探しながら旅を続けるジョニー山中。
旅をテーマにスポーツツーリズムをしながら自分自身の
メタボ対策もしているジョニー山中
嗚呼、ジョニー次はどこに旅にでるのか?
旅に出よう 今日の体重85.6 kg by Johnny
copyright(C)2018,Tomosige Kusunose
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